大翔が生まれた日我が家に大翔がやってくるという事は、小さな美桜にとって大きな大きな試練でした。 「赤ちゃんを見る!」と言って健診にはニコニコしてついてくるものの、いざ「もうじき赤ちゃんが生まれるよ~」と言うと「嫌なの・・・」と言っていました。 赤ちゃんが生まれる時はしばらく私と離れて過ごさなければならない、という事をしっかり言ってあったので、私にべったりだった美桜にとって、お腹の赤ちゃんは楽しみな存在ではありませんでした。 大翔が生まれる前日の夜、お腹が痛くなってきていたので「明日起きたら、ママは病院へ赤ちゃんを生みに行っているかもしれない」と美桜に伝えておきました。 翌朝5時頃、本格的に痛くなってきたので病院へ行く用意をしていると、寝室から「嫌だよぉ~!」と泣き叫ぶ美桜の声が聞こえました。私がいなくなっているのに気が付いて泣いていたのです。私の姿を見つけてもいつまでも泣いていました。 入院中は子供の面会が禁止されていたので、そんな美桜をおいて行かなくてはならない事がとても切なく、「ママもさみしいのよ。」と言って、つい私まで泣き出してしまいました。 するとずっと泣いていた美桜がぴたっと泣き止み、しばらく姿を消したかと思うと「はい、これママにあげる。」と言ってハンカチを持ってきてくれたのです。 3歳足らずの美桜に、人を思いやる気持ちと心の強さが見えて、とても感激しました。 それから私が家を出るまで美桜は泣くことなく、笑顔で手を振ってくれました。 本当はさみしい気持ちでいっぱいなんだろうに、泣きたいんだろうに・・・と思うと、益々私の切ない気持ちは大きくなってしまいましたが。 恥ずかしながら入院中、美桜と会えないことがさみしくて毎晩泣いていた私。今まで美桜と離れたことがなかったので、美桜の愛おしさが本当に身にしみた入院期間でした・・・。 |